
歴史ツアー「わいはん散策~偕楽亭をしのびながら~」が4月24日と5月10日、もみじ山公園(福島市杉妻町)周辺で行われる。
かつて、同園の地には、江戸時代中期、福島藩主・板倉重寛が福島城二の丸に作庭した「偕楽園」があった。明治以降、寺院、鉱泉旅館、料理店、「料亭 偕楽亭」など、形を変えながら営みがあり、1936(昭和11)年に偕楽亭店主の志賀マサさんが亡くなった際に、土地と建物を福島市に寄贈。1963(昭和38)年、福島県がこの土地を公園化した。
同ツアーは、偕楽亭の思いを次世代につなぐ活動に取り組む市民団体「WABUNKAふくしま」(080-2352-4729)が主催する。1972(昭和47)年、福島市が霞町の福島県立福島商業高校跡地に福島市市民福祉会館(現在の市民会館)を開館した際に併設した茶室「偕楽亭」は、市民会館の閉館と消防本部・福島消防署移転移築のため、現在、解体作業を進めている。昨年、同団体は、解体後に廃材となる部材活用の優先交渉権者に決定した。協議を進め、今後は、部材を活用した組み立て式の茶席と紙芝居によるイベント開催、福島城の歴史勉強会開催、もみじ山公園・わいはんのごみ拾い活動、3つの活動を通して偕楽亭を伝えていく。
同ツアー開催のきっかけついて、同団体の照井寿美子(すみこ)さんは「偕楽亭は歴史と文化の重要なところを見ていた。今回は福島城や偕楽亭の歴史を伝える活動の一環」と話す。
当日は、文化庁「わたしの旅百選2005」大賞などの受賞歴を持つ、NPO法人「ヒューマン・ネットワークふくしま」理事長の菅野淳一さんをガイドに迎える。「長楽寺山門」(舟場町)をスタートして、「もみじ山公園」「福島城跡」、福島市内で最も古い寺「法林寺」などを巡り、「御倉邸」で昼食を取る。菅野さんは「一つのものを見ても、見方を変えればいろいろな時代が見える。約1300年を巡るツアー」と紹介する。
同団体の初澤智子(ともこ)さんは「福島城があったことを知らない人も多い。福島プライドを確立して、この地の素晴らしさを再確認できたら」と話す。「菅野さんの話は分かりやすくて楽しい。若い方にも興味を持ってもらえたら」と照井さん。
開催時間は10時30分~13時30分。参加料は1,200円(弁当付き)。要事前予約。