「料理店 ボタン」(福島市新町、TEL 050-8888-6644)が福島の「新町ビル」(福島市新町)1階にオープンして、12月15日で1カ月がたった。
店主の丹(たん)亮太さんは、郡山市のピッツェリアや福島市のイタリア料理店で約11年間働き、今回、独立を果たした。オープンのきっかけについて、丹さんは「もともと独立願望はあったが、この物件との出合いが大きかった」と振り返る。
以前、同所にはスケートボードと手拭いの店「うわさ」が入居しており、昭和レトロな雰囲気が残る通りの空気感に引かれたという。「ここでやらなければ、自分が独立することはないと思った。内見した当日に店をオープンすることを決意し、物件に申し込んだ」と丹さん。
席数は、カウンター6席、2人がけテーブル1席の計8席。設計・施工は福島市の「アーキトリップ」(西中央)が手がけた。内装について、丹さんは「設計・施工会社の方と話して、『街の一部としてなじむこと』を意識した」と話す。外観は大きく変えず、以前の店が壁に貼っていたステッカーを一度剥がして貼り直すなど、建物の歴史や前の住人の記憶を「意図的に」残した。ビンテージ家具を配置した店内は、「男性が一人でも来たくなるような空間」を意識したという。
店名の由来については、「私の名字である『丹』に由来する」と丹さん。「『イタリアン』ではなく『料理店』としたのは、イタリア料理を主軸にしつつもジャンルに縛られない自由なスタイルで、ワインバーや日常の食事処として多様な使い方ができるようにとの思いを込めた」とも。
コンセプトは「上質な日常」。丹さんは「ぜいたくな食事とリーズナブルな食事に二極化する中、その間にある『丁寧な日常の食事』を提供したい」と話す。メニューは、金曜・土曜・日曜の予約客にはコース(4,500円=4~5皿、6,500円=6~7皿)のみを提供。予約なしの客にはアラカルトを提供する。平日はアラカルトを中心とし、予約なしの来店にも対応する。
ドリンクは、郡山で醸造される「PIRONO BEER(ピロノビール)」やイタリア産ワインを中心に、県内外のワインなどもそろえる。
オープンから1カ月がたち、丹さんは「予想以上に自分らしくできている。デジタルではなくアナログなつながりを大切に、血の通った店にしていきたい。デートでも、普段使いでも、気楽に来店してほしい」と呼びかける。
営業時間は18時~23時(21時以降はバータイム)。定休日はインスタグラムで知らせる。