福島市在住の20代が運用するウェブマガジン「YOUNiiiiQ(ユニーク)」が11月25日、福島を案内するガイドブック「ぼくらの福島案内紀行」を発売した。
昨年、「まちづくり」をテーマにした「街人(まちびと)」を発刊して以来1年ぶりの刊行となる同誌。最新号は「ぼくらの福島案内紀行」と題し、読者参加型の新たなガイドブックとして、福島の魅力を50の視点で紹介する。
発売のきっかけについて、デザイナーのごしまさんは「再開発や大型商業施設の建設など、福島は今、大きく変わろうとしている。日々の取材や街の人との交流を通じて、改めて、『福島の魅力とは何か』を見つめ直し、発信していく必要があると感じた。その魅力は、特別な観光地ではなく、まちに暮らす人々の日々の営みの中にあると考えた。そうした思いから、編集者の目線だけでなく、市民一人一人の声を伝える寄稿型のガイドブックという形で制作に取り組んだ」と話す。
ごしまさんは「観光地や定番グルメにとどまらず、地元に根ざした人や場所、体験にフォーカスした新しいガイドブックを制作することができた。『このカフェで朝を過ごしたい』『この人に会いたい』など、日常の延長線上にある旅のきっかけが詰まっている本誌を読んで、福島を訪れたいと思ってくれる人が一人でもいればうれしい」と話す。
誌面では、「昼から、福島とつながる。」と題した昼飲み特集や、地元の食卓を取り上げた「福島の台所ストーリー」、飯坂温泉の銭湯文化を巡る「銭湯から街へ」など、福島を深掘りする11の企画を収録。全国各地のロースタリーを起点に各地の街を紹介する「コーヒーで近づく街」や、いわきをテーマにした読み物なども掲載する。
今後の展望については、「情報を届けるだけのメディアにとどまらず、イベントや企業・行政との連携も視野に、まちをより良く、誇れる場所にしていくための活動を続けたい」と話す。「20代で始めたメディアだが、メンバーも30歳という一つ、節目の年を迎えるに当たり、『街と共に未来をつくる、人生を豊かにするコミュニティーメディア』という新しいコンセプトの下、行政・民間を問わず、まちと人をつなぐ存在になることを目指していきたい」とも。
発行部数は1000部。価格は1,000円。市内の書店や雑貨店、飲食店とオンラインショップで取り扱う。取扱店はインスタグラムで確認できる。