福島市の「草野測器社」(福島市鎌田)が自社に届いた間違い電話に機転を利かせ、タクシー会社と連携して乗客を無事目的地まで送り届けた。
6月15日、同社に高齢の男性から「タクシーをお願いします」と電話が入った。電話を受けた同社の渡辺清美さんは「電話番号を間違えていることを繰り返し伝えたが、男性は当社をタクシー会社だと思い込んでいたようだった」と振り返る。「市内のタクシー会社と当社の電話番号が類似しているのか、よく間違い電話を受ける」とも。
電話は途中で切れてしまい、渡辺さんは電話機のナンバーディスプレーで番号を控え、タクシー会社に連絡。「間違い電話だと相手が気付かないまま電話が終了したのは初めて」と渡辺さん。タクシー会社に男性の電話番号を伝えると常連客であることが分かり、タクシー会社は男性の元へタクシーを手配。無事乗車できたという。
後日、同社宛てにタクシー会社からお礼のはがきが届いた。渡辺さんは「タクシー会社の社長が直々にはがきを書き、イラストを添えてくれた。男性が無事にタクシーに乗れたことを安堵(あんど)するとともに、かわいらしいはがきに癒やされた」と話す。「業種の垣根を越えて地元企業が手を取り合い、地域貢献の一翼を担っていければ」とも。