
「寒ざらしそばまつり」が3月8日、道の駅さくらの郷(二本松市東神殿、TEL 0243-68-4770)で開かれ、約500食のそばを提供した。
昨年のいわしろ高原のそば畑風景(写真提供=道の駅さくらの郷)
「道の駅さくらの郷」は、食堂・売店・そば打ちスペース・イベントスペースなどから成る道の駅。昨年9月で20周年を迎えた。岩代産のそばを提供する「寒ざらしそばまつり」が始まったのも約20年前。当時は、岩代産のみで年間を通して食堂で提供できるほどの生産量はなかったが、13年ほど前、岩代地域住民による、そばの委託栽培を始めたのをきっかけに生産量が増加。近年では、岩代産のそば粉のみを使った「手打ち十割そば」を提供し、年3回、「そばまつり」を開くまでになった。
「寒さらしそば」は、殻付きのそばの実を冷たい流水などに一定期間浸した後、天日・寒風にさらして乾燥させる工程を踏む。あくやえぐみが抜け、甘みと風味が増すとされている。今回提供したそばには、1月18日に岩代地域内の渓流に浸し、2月2日に川から引き上げ、寒風にさらしたそばの実を使った。
ざるそば(700円)、かき揚げ(200円)、タラの芽天ぷら(300円)、餅バイキング(150円)などを提供したほか、そば打ちの実演なども行った。
来場客からは「ここのそばやうどんが好きで、食堂やそばまつりに来ている。大釜でゆでる様子がすごい」「寒ざらしそばと石窯ピザを目的に来た。店員が親しみやすくて好きな場所」「時々買い物に来ている。そばだけでなく、天ぷらや餅もおいしかった」などの声が聞かれた。
二本松市岩代地域・地域おこし協力隊員で、そば職人の佐藤はるかさんは「たくさんの方に来場いただきありがたい。職人一同、今年の寒ざらしそばは、特に出来が良いと感じている」と話す。「岩代地域でそばを生産し、寒ざらしそばの作業を行い、地元の職人がそば打ちして提供すると、地元で完結していることはすごいこと。これからも、岩代のそばが続いていってほしい」とも。
「次の『寒さらしそばまつり』は6月を予定している。今回味わえなかった方も、ぜひ食べに来てもらえたら」と佐藤さんは呼びかける。