
ニットブランド「L'ANIT(ラニット)」が今年で10周年を迎え、6月6日~8日の3日間、東光寺(福島市森合町)客殿で記念受注販売会を行う。
「L'ANIT」が展開するニット製品の一部。ユニセックス仕様のニット製品を展開する
同ブランドを立ち上げたのは、川俣町出身で、川俣町のニット製造・販売を行う企業ラニット(川俣町)社長の高橋彩水(あやみ)さん。東京でアパレル販売をしていたが、糸に携わるものづくりをしたいと思い、ニット工場で3年経験を積み、その後、服飾専門学校で学び、在学中の2015(平成27)年に同ブランドを立ち上げた。日本衣料管理協会が認定する衣類管理士資格を持つ。
「ファンシー&ファンキーなニットでハッピーを」をテーマに掲げる同ブランドは、機械編みと手編みを取り入れ独自の編み地開発を行い、糸や製法にこだわった製品作りに取り組んでいるという。ブランド立ち上げのきっかけについて、高橋さんは「ものづくりに変化をもたらす出合いや、思わぬ組み合わせが新しい価値観を生むことに魅力を感じた。ファッションの力で、関わる人の心と体を温めて元気になってもらえたら、と思ったのがきっかけ」と話す。「東京ではなく、地方発信、川俣発信のブランドを確立させたかった」とも。
「L'ANIT」は、フランス語で「友達」を意味する「L'ami(ラミ)」と「knit(ニット)」を組み合わせた造語。「人と交流することで、ニットのような温かさが生まれたり、予想外のいいものが生まれたりする。糸も同じで、いろいろな素材を実験的に組み合わせることで新しいものが生まれる。切磋琢磨(せっさたくま)し合える仲間と網目状につながり、ニットの可能性を広げたいという思いを込めた」と話す。
同ブランド商品は大きく分けて、立体的な手編みアイテム、シンプルな機械編みアイテム、糸の3カテゴリー。糸から作り、製品にするものもあるという。「レトロなもの」をクリエーションのヒントに、ユニセックス仕様で、意外性のある配色や素材の組み合わせなど、個性あるデザインが特徴。
当日は、ストール、帽子、ベスト、ピアスなどのアイテムの飾りや色の組み合わせを見本帳から選んで注文できる。会期中はカフェ2店が日替わりで出店し、7日は「play time coffee(プレイタイムコーヒー)」、8日は「SAKAMOTO COFFEE(サカモトコーヒー)」が担当する。「寺は人々に開かれた場所。くつろぎながら楽しんでもらえたら」と高橋さん。
今後については、「人が集まって、自由に何かを形にしていける環境を作れたら。『ものづくりに変化をもたらす出合いと、思わぬ組み合わせが新しい価値観を生む』というファッションの特長を生かして、開かれた場を作れたら」と展望を述べる。
開催時間は10時~18時。