いなりずしと肉吸いの専門店「大豊堂(たいほうどう)」(福島市新町、TEL 080-2836-1564)が11月21日、福島・新町にオープンした。
昭和の面影を色濃く残す「新町ビル街」の一角にある同店。オープンのきっかけについて、店主の浅見宗一郎さんは「知人がこのビルを相続した際、老朽化が進み、廃虚のような状態で売却も難しいと聞いた。自分ならレストハウス運営のノウハウを生かして何かできるのではないかと思い、引き受けることにした」と振り返る。席数はカウンター9席。
店名の由来について、「『大豊堂』は、近くにある福島稲荷神社を創建したとされる陰陽師(おんみょうじ)・安倍晴明が、この地を『五穀豊穣(ほうじょう)』の地とした伝説に由来する。『豊』の字を取り、店が大きく豊かになるようにとの願いを込めた」と浅見さん。
メニューは、いなりずし「晴明いなり」(1個100円)と、大阪発祥の汁物「肉吸い」(700円)がメイン。近隣にいなりずしの専門店がなかったことや、神社の近くというストーリー性を重視した。「肉吸い」は、社員が大阪の名店で修業して味を習得。だしは大阪の市場から特注のブレンド品を仕入れるが、卵には地元の特産品「ラジウム玉子」を使い「福島らしさ」を加えたという。うどんを追加した際、卵で味が薄まらないよう専用の「追いダレ」も用意する。
セットメニューは、「いなり寿司(ずし)3個セット」(いなり3個、肉吸い、おしんこ、ラジウム玉子付き=900円)、「いなり寿司2個セット」(同=800円)。200円増しでうどんを追加できる。
オープンを迎え、浅見さんは「気取らず、レトロな空間を楽しんでもらえれば。福島の味として定着し、長く皆さんに『かわいがってもらえる』店を目指したい」と意気込みを見せる。
営業時間は、昼=11時~15時、夜=16時~20時。金曜・土曜のみ営業。テイクアウトにも対応する。年末年始の12月30日~1月2日は、初詣客向けにテイクアウト販売を行う。