伊達市の指定有形文化財「梁川八幡神社」の本殿の修復工事が昨年9月に終了したことを記念し、調査成果を紹介する企画展が2月8日から、保原歴史文化資料館(伊達市保原町大泉宮脇)で開催される。
同神社は「独眼竜政宗」で知られる17代目伊達政宗を輩出した伊達氏ゆかりの神社。工事に不可欠な図面も一切残されていなかったため、修復作業はその作成から始まった。木材も再利用するため、全て手作業で記録を取りながら解体作業を行った。本殿に使われている木材や技術の調査を行い、専門家や関係機関に助言と指導を仰ぎながら工事方針を検討。そのため修復作業には2年半の期間を要した。
主催の伊達市教育委員会の生涯学習課文化財係の齋藤さんは「歴史ある建造物の保護保存に修復は不可欠であり、従事する技師の高い専門性と技術力が求められる。本修復工事の過程や技術を紹介することで、建造物保護への理解を深めてもらえれば」と話す。
今まで小さな補修は何度かあったが、直近での大きな修理は1997(平成9)年度の屋根修理のみ。「今回の修復工事では、多くの新資料が発見された。従来、社殿建築に関わる資料は少ないため、この発見は貴重。この企画展でこれらをいち早く展示公開し、建築史ほか八幡神社、伊達市の歴史研究の進展につなげられれば」と来館を呼び掛ける。
開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。火曜休館。入館料は、大人=210円、小中高生=100円。