福島駅周辺のムクドリの被害を減らすための「ムクドリ追い出し大作戦」が9月15日、福島県庁前を中心に始まった。
福島駅周辺の街路樹や雑木に寝床を作りすみ着いているムクドリ。今回はムクドリとカラスのふん害・騒音を減らすために追い払おうと仕掛けを設置し実行した。作戦について、福島市環境課の市川広範さんは「地域住民からムクドリの鳴き声による騒音について相談の声が上がっていた。来年に予定されているオリンピックに向け、街をきれいにしたいこともあり、地域住民の生活のため、きれいなまちづくりができればと思い実行に至った」と振り返る。
作戦は福島県庁前を中心に、福島駅周辺で一斉に行われた。作戦を指揮するのは、ムクドリやカラスの生態に詳しい鳥類生態学の中村浩志信州大学名誉教授。中村教授が合図を送り、設置したロケット花火を打つと、上空を旋回していたムクドリやカラスが一斉に飛び去った。中村教授は「福島駅前には多くの鳥の巣がある。50年ほど前までは郊外に巣が多くあった」と話す。
県庁前の街路樹にはカラスとムクドリの天敵であるタカとフクロウの剥製を設置。スピーカーからタカの鳴き声を流すなど、さまざまな方法でムクドリを追い払った。
この日視察に訪れた木幡浩市長は中村教授に「ずっとタカの鳴き声を流しておくことはしないのか」と尋ねると、中村教授は「ずっと流しておくと、ムクドリはそれに慣れてしまうので効果が無くなる」と答えた。
市川さんは「今後は地域住民と協力して街をきれいにしていきたい。ムクドリやカラスを見たら手をたたいて音を出したり、声を出して追い払ったりするなど協力してもらえれば」と呼び掛ける。
作戦は17日まで行う。