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福島の劇団、ソーシャルディスタンスを守り公演 演者もマスク着用

マスクを着用し公演に臨む劇団「120〇EN(ひゃくにじゅうえん)」のメンバー

マスクを着用し公演に臨む劇団「120〇EN(ひゃくにじゅうえん)」のメンバー

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 福島市を中心に活動する劇団「120〇EN(ひゃくにじゅうえん)」が7月1日、マスクを着けたまま演じる短編劇「とおくはなれた物語」を福島テルサ(福島市上町)で上演した。

観客は席の間隔を空け観劇した

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 福島に伝わる伝承や市にまつわる物語を中心に公演する同劇団。今回上演したのは、同市に伝わる口裂け女の伝説をモチーフとした恋愛喜劇。

出演者らはマスクを着用。物語はアパートの一室を舞台に部屋につく「地縛霊の石田さん(演=鈴木優斗さん)」、そこに住む「口裂け女の花子さん(同=奈良夏妃さん)」と隣の部屋に住む人間の男性「只乃(ただの)さん(同=安達駿希さん)」との恋愛を描き、玄関ドアを挟んでの会話を演出。ソーシャルディスタンスを守りながら演じた。

 本番前に行った通し稽古では、出演者の立ち位置を念入りに確認し、ソーシャルディスタンスが守られているかなど、さまざまな角度から確かめる場面も見られた。

 開演前には会場アナウンスで出演者らの体温を発表するなど、コロナウイルス対策への取り組みも見られた。

 「口裂け女の花子さん」を演じた主演の奈良夏妃さんは「練習中もマスク着け取り組んだ。マスクで声が通らなくなってしまうので、いつもより声を張って演じている」「距離を保つのが難しく、距離感で相手との関係性を表すのが難しかった」と話す。

 同劇団は3月と5月にも公演を予定していたが、コロナウイルスの影響で中止となった。今回の公演では出演者らによる観客の見送りは行わず、直接のあいさつを設けずに行われた。

 公演は舞台上に置かれたタブレット端末や、出演者の胸ポケットに入れられたスマートフォンなどを使い、Zoomでも配信した。

 この日観劇していた、同館を運営する福島市振興公社常任顧問の菊地威史さんは「演者もマスクを着けて、マスクを着けていても違和感のない物語になっていて感動した。今後もいろいろなことに挑戦してもらえれば」と話す。「当館は若者の演劇発表会などでよく使われている。演劇の発信地になれば」とも。そのほか集まった観客からは「工夫して予防に努めていてすばらしいと思った」「最後までマスクを着けて演じる面白い取り組みだった」などの声が聞かれた。観客は席の間隔を空け鑑賞。約100人が集まった。

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