福島駅前の老舗百貨店「中合福島店」(福島市栄町)が8月31日、146年の歴史に幕を閉じた。
1874(明治7)年に同市荒町で創業し、1973(昭和48)年に現在の場所へ移転した同店。店内にはレストランやファッションブランド、化粧品店などがあった。市内の高校の制服を請け負うなど、市民から親しまれていた。
最後の買い物に訪れた人からは「最後の思い出に買い物に来た。スタッフも優しく、思い出の場所」「小さいころは憧れの場所だった。大人になったらここで買い物をすることが、大人としての魅力に感じていた」などの声が聞かれた。
19時の閉店を見届けようと、同店入り口前の「ツイン広場」には多くの市民が集まった。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、閉店に関するイベントは行わず、通常通りの閉店作業で最後を迎えた。
18時55分にシャッターが閉まり始めると、集まった市民からは「ありがとう」「今までお疲れさま」などの声が上がった。閉店を見届けた人からは「やはり寂しさもあるが、ぜひまたこの場所で何か新しいものを始めてほしい」などの前向きな声も聞かれた。