福島市立土湯(つちゆ)小学校(福島市土湯温泉町)で3月22日、卒業式が行われた。
同小は、今年の全校児童がが6人と市内でも児童数が少なく、2017年度の新入生は1人もいなかった。そうした中、今期4人の児童が卒業ということもあり、来年度以降は休校することが決まっていた。
144年の歴史を持つ同小も、この日でいったん休校になる。自身も卒業生であり、卒業生の保護者でもある加藤貴之さんは「我が子の卒業はうれしいことだが、この学校が休校になるのは寂しい。だが、時代の流れなので仕方がない。今後の発展的な考えで前向きに捉えたい」と話す。土湯温泉観光協会の会長でもある加藤さん。協会の役員は皆、同小の卒業生でもあり、今後はこの小学校の校章を協会の役員バッジにしようという動きもあり、長年の学び舎を地域の宝として見守り、何らかの形で残していく考えだ。
同小の伊藤勝彦校長は「この日を迎え、うれしさと寂しさがこみ上げてくる。卒業生には中学校に行っても頑張ってほしい。残る2人の在校児童は4月から、荒井小学校に通うことになる。不安だと思うが自信をもって行ってほしい。休校になることは寂しいが、子どものためと地域の皆さまが前向きに考えた素晴らしいこと」と話す。
土湯温泉の中に位置する同小は1874(明治7)年に開校したという記録があり、1955(昭和30)年に福島市と合併。当時は118人の児童が在校していた。自然に囲まれた円形の校舎は珍しく、児童は土湯温泉町の発展や観光推進など数多く関わり、地域みんなの子どもたちとして見守られてきた。