福島市の居酒屋「てまり」(福島市万世町)が現在、家庭の事情などの理由により夜1人で過ごす子どもたちを対象に無料で食事を提供している。
2月16日にオープンし、家庭の味を再現した手作り料理を提供している同店。3月17日から家庭の事情などの理由から夜1人で過ごしていたり、事情があって家に居づらかったりする子どもたちを対象に、無料で食事提供を始めた。きっかけについて、店主の高科ひろえさんは「自分が子育てをしてきた中で、夜を1人で過ごす子どもが多いと知った。そんな子どもたちのために『子ども110番』の店のような居場所を作りたかった」と振り返る。
「例えば雨が降っているときに、フラリと雨宿りができるような場所を目指している」と高科さん。店では高科さんがこれまで飲食業で培ってきた料理の腕を生かし、手作りの料理を提供。メニューは決まっておらず、その日、店にある食材を使って対応する。高科さんは「レンジで温めた温かさではなく、手作り料理ならではの温かさを感じてもらえれば」と話す。
高科さんの思いに賛同した一般から米30キロの支援があったほか、市内の市場から魚の差し入れもあったという。「遅い時間に家に居られないという子どもには何かしらの理由がある。少しでもそんな子どもたちの居場所になれれば」とも。
受け入れ時間は決まっておらず、店の明かりがついている限りいつでも受け入れるという。